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帚木蓬生の著作「日御子」よれば、「あずみ」とは、安住・安曇・安潜等々の漢字が当てられ、遠い昔に西の方から倭国に渡ってきた人々の子孫で、あずみは「東」の日本語読み「あずま」がなまったものであると言われています。「あずみ」は日本の各地に移り住み、現在各地に地名や苗字として受け継がれています。
「あずみ」は古代倭国の時代に代々使釋(通訳)として邪馬台国はじめ倭国の国々の王に仕え、中国古代王朝の漢や魏などとの朝貢外交に欠かせない役割を担ってきました。
この「あずみ」一族が古代の何百年にもわたり存続してきた背景には、何彼らによって受け継がれてきた「掟」があると、著者はいっています。掟とは次の4つ。
この掟は、現代社会にも通じます。現代と未来を見据えてさらに加えるとしたら、「 仕事に停年はない、人が死ぬ時が定年である」。
超高齢化社会に向かって、一人一人が出来るだけ長く健康で自律的に生きることが大切です。報酬を得て働く仕事もありますが、自分で作ってそれなりに社会との関わりや奉仕をする仕事もあります。報酬を得るか得ないかは、それぞれ仕事の性質によって異なるでしょう。
習慣には、連続的なものと断続的なものがありますが、この概念は、時間の流れ、目指した達成度、専門領域の3つの関係性で解釈することができます。現代社会は科学や技術の発展に伴って様々な専門分野に細分化され、ある領域で得られた新しい知識が、新たな領域を生み出すことも少なくありません。生物の進化に置き換えてみれば、遺伝子の定めるところによって、細胞分裂を繰り返しあたらしい形態に達することもあります。ダーウィンがガラパゴス島の生態相を観察して、「進化論」に至ったことはよく知られるところです。
目まぐるしく変わる社会の様相に対して、個人がいかに対応していくかを端的に示した「あずみの掟」は、ある意味、公理とも言えるでしょう。